その1)二日目の夜の出来事
さて。
ここからです。
実はMACHAKOがこの2日目に行った店からが、本当の意味で
「日本にいたら絶対にわからなかったことの体験」だったのでした。
一日目がとても楽しかった(上質で)ので、実はこの日からのもろもろが、少しMACHAKOにはショックだったり新しい発見でありました。
今でもところどころは書くべきかどうか迷います。
でも、書いたほうがいいと思うんです。。。
旅の感想は人それぞれ、私の体験とはまったく違う方もいるとおもいます。
なので、あくまでもMACHAKO目線ということで、了承ねがいます。
この2日目、あるファドの店を予約してMACHAKOは向かいました。
実は
アルファマに歩いて行くことは、周りからとめられていたのですけれど、昼間に行って道を覚えておいた店なので、大丈夫だろうと思い路面電車に乗って、カテドラルからひとり歩いて行く事に・・・・
が、しか~~し!
道に迷った。。。。。。。
本当に真っ暗で人が歩いてなくて、だんだん怖くなってきました。
「タクシーで来るべきなんだよ、この初心者め~~(己のこと)」と自分を責めながら道を探しました。
でも
アルファマは迷路・・・・・
どうしよお・・・・と思った時です、民家から太ったおっさんが出て来ました。
MACHAKO、得意の「横ギャロップ」でおっさんに近寄りました。
「道に迷った~~ここのファドに行きたいの!」
おっさんが、めちゃいい笑顔で丁寧に説明をしてくれました。
ポルトガル人は基本的にとってもとっても親切です。
道を教えるなんて普通のことかもですが、なんていうか、、、、
丁寧で、気さくで、優しい。(この親切な出来事で素敵なことものちあったのであとで書きます♪)
なんとかそのおっさんの言うとおりに歩いたら到着しました!
そのお店は「かわいく」て、
お料理も「おいしく」て、
お店の方も「とても親切」でした。
ただ。不思議なことに
「歌手がいない」んです。
「チャージはしっかりと10ユーロ取る」んですよ?
なのに、「専属らしき歌手がいない」んですよ。
おかしくないですか????だって昨日の店とは違うんですから。
(昨日のお店は専属で歌う人がいないけど、チャージもないんですから)
MACHAKOの日本での情報としてお店には4,5人の歌手がいて、その歌手が順番に数曲歌うというスタイルが現地のファドだと思っていたんです。
でも、、、、、、
「へんだなあ」と思っていたら
今まで「お店の店員をしていた人」が歌いはじめました。
そして正直、
「あまりうまくない」のでした。
「え?」
その人が歌い終わるころになると、違う人がやってきて(お店になんだかしらないけど定時?やってくる)歌いはじめました。
それも正直、
「あまりうまくない」のでした。
「ええ?」
そんなことが繰り返されるのでした。
そのうちです。
お店の方が私に「歌えるなら歌わないか?」といいました。
MACHAKOはそりゃ、歌いたいです。
でもね。
なんとなく、その日は気持ちが乗らなかったんです・・・・・
だけど、こんな機会はめったにないし、歌わせていただいたんですが。。。。。。
歌ってみてわかったのが
なんとなく、とってもとっても失礼だけどギター、、、、合わないんですね。
合わないというか、ノリがなんか合わないというか(~~~う~~~~説明できない!!!!)
もちろん私、初心者です。ヘタかもしれません。
でも・・・・・・・昨日のギターに比べるとなんというか段違い平行棒なのです・・・・・・
「なんだかちょっとヘンだよなぁ・・・・」って肌で感じ始めました。
まぁこれくらいにしておきましょう。。。。。。
このお店は、正直13日間かよったなかで一番、MACHAKO的にはおもしろくなかったのですね。
インパクトがなかった。特に歌手。そしてギター。
そして正直13日間ファド通った中で一番、「おもしろかった」のが初日のタスタドシコなんですよね。
インパクトっていうのは、店の盛り上がりや、ギターのウマさや、お客の感じ。雰囲気。。。
このあたりわかっていただけますか?わたしの意見でしかありません。
だからこの店に関しては、これでおしまい。。。。
現地のファドは、店によってシステム本当に違います。値段も、空気も、そして経営の感じも。
私は日本で一応HPなどで、ファドの店はしっかり調べて行きました。
そこには「この店はこう言う感じ」という風に書いてあるので、とても助かったのも事実。
大変に情報にはお世話になりました!!!
でも、、、、本当はね、現地で、「行って見てみないとわからない」んですねぇぇ。
もしかしてその店だって翌日行って見たらすごく盛り上がっているかもしれませんものね。(超フォロー)
だから悪くは書きたくない。。。。
ただ。
感覚で生きている動物みたいなMACHAKOにはわかるところ、あるんです。
お店から出る時までに、まだまだ諸所ちょっと色々ありまして、お店の人も微妙な顔をしてました。
「この子にまずいところみせちゃったなぁ~~」という表情です。
言葉が通じなくても、そりゃ、人間ですから伝わってわかることってあります。
MACHAKO、この店には今回のポルトガルでは、もう来ないって肌で感じて帰りました。
でも別に落ち込んだわけではありませんでした。
「どうしてこういうことが起きたか」考えたらわかります。
きっとファドの神様が、「ファドの色んな側面を見せている」んだ。と思う事にしました。
「自分で探し出せ!!!!!」そんなメッセージを受け取った日です。
「明日はまた新しいファドに出会おう!」
MACHAKOは決めてタクシーに乗りました。
その2)三日目の夜の出来事
翌日もアルファマに行きました。
もう夜道も慣れたものです。(なれちゃだめ!)
この日は予約なんかしないで、ただ歩いてふらっと感じのよい店に入ろうと決めてました。
20時くらいに歩いていると、色々な店が呼び込むといいますか、
「入ってって~~」みたいに呼び込むんですが 、
色々覗きながら
「ここに入ろう」って思うまでは決めないで歩き回りました。
その中で、店員さんがいそいそと一生懸命に支度をしている店がありました。
「何時に開くの?」と聞くと
「う~~~ん。あと20分、、くらいかなぁ」
とかいいながら元気なお兄さんが
「そこに座っちゃっていいよ~~」と気さくな感じ。
その笑顔に、
「ここにしよう」と単純にMACHAKOは決めました。
この店はあんまり特徴を書いちゃうとばれそうなので、、、、
というのも「アルファマ唯一といえる特色」がある店でした。
「非常に気持ちのいい場所」にあります。
料理はそれほどおいしいと言える感じでもなかった。
でも店員さんのサービスはなかなかアットホームで笑顔がいい感じです。
歌手は、、、、、、たぶんですが、みんながプロではないでしょう 。
けれど迫力の相当ある体格の方々が歌っていて、
一応の人数は揃ってきちんと待機しています。
歌は気持ちがよく聞こえます。それはお店の作りもそうなっているからなのですが。
男性歌手が一曲終わるごとに「オブリガード、オブリガード」って演奏者に言っているのもよかった。
(このおじさんの歌手はMACHAKOの大変に好みの歌を歌います♪すごく好きなタイプです)
そのうち 、
「この人は他の人とは絶対に違う」
というオーラを持った女性が歌いはじめました。
その歌は深みがありました。彼女の人生が垣間見れる歌でありました。
匂いがありました。
多くのファディスタが正面を向いて熱意を込めて歌うのとちがい。
彼女は横を向いて、壁にすこしよりかかります。
そのアンニュイともいえる雰囲気がとても似合っているのです。
(MACHAKOには到底できないことをやれる「本当のオトナの女」だなぁ・・・・ )
ファディスタは多くのカサデファドで、歌い終わったら自分のCDを「どう?買わない?」っていって売りに来ます。
MACHAKOは初めて、ポルトガルで買った(そのようにして)のが彼女のCDでした。
本当に欲しいと思ったからです。
私がCDを買った事で相当に機嫌を良くしたのもあって、そのうち、彼女が私に「歌えるんじゃないの?」と言ってきました。
(またキタ======)
MACHAKOは度重なる
「歌えるんじゃないの?」攻撃に驚きです。
ここまで自分から「歌いたい」なんて言わないでも向こうから言ってくるのですから。
話をして「じゃあ一曲だけお願いしたい」とMACHAKOから頼むと
「いいわよ」ということで、またそこで即興ファドとなりました。
今日のMACHAKOはやる気でした。
なぜなら自分が気に入った歌手に自分の歌を聞いてもらえるからです。
感想がもらえるかもしれません!(前向き)
最初に書いたようにこの店はアルファマ唯一の特色がありまして、
めちゃめちゃ気持ちのいい空間で歌うことができるのです。
この日のMACHAKO、本当にのびのびと歌っていたはずです。
(あとで聞いた録音も、すごくのびのびと朗々と歌ってて、実は今でも気にいってます)
一曲のつもりが、どんどん歌わされて結局3曲!
彼女は私を真正面から見据えて。ひとつのフレーズも聞き逃すまいと真剣にずうっと見つめていました。
終わると彼女が近づいて来ました。
そして、信じられないことをいいました。
「MACHAKO・・・とってもよかった。特にこの歌のここのフレーズ!すごくすごくよかった!」
それは、日本でMACHAKOが「相当に研究を重ねてきた部分の歌いまわし」のところ!でした。
「本当!?うれしい~~(涙ちょちょぎれ)」
するとです。
「MACHAKO、いつでも歌いに来ていいわよ」
と彼女。
「ええ??」
驚きのMACHAKO。
「本当に!是非来て!!!」
本当カナァ、、、、、と思いながらも困惑の私。
そして席に座ったら、です。
観光客の女性が私の所に来まして
「写真を一枚とってもいいでしょうか?」と丁寧に私に言ってきました。
「は???わたしの?ですか?」
「ええ、いいでしょうか?」
そして写真を撮られました。
次にカメラを預けていた男性や、ギタリストさんがやってきて
「すごくすごくよかったよ!!!!」と笑顔で言ってくださいました。
目が点・・・・・・・
3ステージ目が終わりかえろうとチェックを頼みましたら
食べて飲んでしてるのに。
「MACHAKOからはお金これだけでいいから」
ってめちゃめちゃまけてくれてます。
「ええ?いいの?」
「いいのいいの、歌ったんだから。本当に是非また来てね!」
店員さんがみんなにこにこと私を笑顔で見てくれてます。
さきほどの彼女も
「本当にまた来てね、食事とかしなくていいから、来て歌えばいいんだから」
とまたいいます。
帰りのタクシーの中の充実感は前日とは比べ物にならないくらいの夜でした。
ただ
「私がこうして歌えちゃう」ってところに多少、疑問が残るMACHAKOなのでしたが。
でも。その理由は、この後ちゃんと、わかってきます。ちゃんと答えがでたのです。
(ちょっと面白いエッセイになってきてない?笑)
その3)モウラリアの夜
モウラリアという土地の名前がファドの歌には数多く出てまいります。
だからとても興味があって、その地域のファドに行って見たかったMACHAKOは翌日の昼間にモウラリアを散歩しながら店を下見しておきました。
モウラリアというのはリジュボアの中心地より北に位置する、モーロ人が住む下町です。黒人が多い地域です。(あってるかなぁこの説明)
観光案内ブックなどには決してのっていない地域です。
こちらのお店、格調高そうなお店だし、期待できそうです。
夜10時に行くと、ほぼ満席状態。
そして観光客よりも地元の人が多い感じで、さらに期待が膨らみます。
その店には、歌手がなんと6,7、人いて、そこにも信用がおけました。
となりに座ったポルトガル人の夫婦もとても気さくで優しくて、すぐに打ち溶けたMACHAKOは楽しく、食事をしながらファドが始まるのを待ちました。
そこではアジの炭火焼をいただきましたが、ものすごくおいしくてびっくりしました。
ファドがはじまりました。
この店のスタイルは1人が3曲うたったら次の人が3曲。それを1ステージに、3,4人やるというもの。
1ステージのトップバッターこそ、なんだか素人な感じがしたものの、あとの歌手はほぼうまかったです。 色々な歌手がいて、その幅も広くて、(若いのからじいさん、ばあさんまで)飽きないようにできている。
んですが。
ここでも色々ありました。
MACHAKOはこの店にきて「本当に勉強に」なりました。
料理はとてもおいしい。
チャージもそこそこで高くない。
歌手のレベルも高い。
それでも満足したかと言えば、そんなにはしなかった。
MACHAKO手厳しいのでしょうか?
違います。
ここの店の歌手は本当にうまい人います。
でもわかったの。
「なんかココにこないんだよな~~~」ということ
ココとは心です。
なんでもいい。ずっきーんって来る歌があまり。。なかった。
(一曲あったけどあとで書きます)
「う~~~ん」と思っているうちに2ステージ目の最後になりました。
となりのポルトガル人が
「彼はポルトガルの若手のベストオブベスト!」と紹介するだけあって、
その彼は「超歌がうまかった!」
「本当にうまい」のでCDを買いました。
ところがです。
その人。
「俺は今一番の若手歌手なんだぞ~~~」
なんてわざわざ私にいいに来るの。。。
なんだかな~~。
そんなの決めるのはこっちじゃん。ってあまのじゃくなMACHAKOは思います。
歌はうまくても絶対につきあいたくないタイプです。(・・・・・・)
そんなこんなしてると、お店のスタッフがきて
「若くないけどこの歌手のCDは絶対にもってないとだめだぞ!」というので、そのCDも買いました。
2枚買うと、歌手がどんどん自分のCDを持って私に売りつけにくるので
「申し訳ないけど、お金もうないです」ってことわらないとならなかったり・・・・
さて、この店で一番心に来た歌は何かというと 。
中堅くらいの男性歌手がいまして、「がなって歌うタイプ」でそんなにテクニックはうまくないなぁと思って聞いていましたが 、
「アルファマ」を歌ったとき、
「ああ、この人はこの歌が本当に好きなんだなぁ」という気持ちが「びんびんと伝わって」きたのです。
一番、心に残っています。
うまくないけど。。。
「気持ち」、そして、「その曲」。。。それが聞き手に残るっていうのは、やっぱりすばらしいこと。
「音程とか、言葉の違いとかじゃあやっぱりないんだ。。。。」
そして帰り間際、ギタリストと、私に「若くないけどこいつの歌はいいぞ」とCDをすすめたスタッフが椅子に座ってまったりと数曲ファドを笑顔で歌っていました。
そのうたごえとギターの音が、実は一番「その日、心に響いた」のでした。
「大きな舞台とか、頑張って歌うとかでもないんだ。。。。」
いいファドって。。。隠れているのかもしれない。
MACHAKOは、帰りアルファマを口ずさみながら、隣の夫婦の車でちゃっかりペンサオンに送ってもらって帰りました。
いつもとなりに座る人に恵まれているMACHAKOです。
帰って勧められたCDを聴きました。
とっても心に響くうたごえでした。
それを紹介したスタッフもいい声でしたけど。
その4)日曜の奇跡のファド
日曜の昼間、MACHAKOは昼からワインを飲んで、アルファマをお散歩していると
「ファデーーーーーィスタ!!!!」と前方から大声が聞こえました。
顔を上げると、数日まえ、3曲うたった気持ちの良い空間の店のスタッフが笑顔で手を振っています 。
「わたしのことかい!?」
思わず笑ってしまいました。
「ファディスタ、今日はうちに来ないの?」
と言うので、
「行くつもり」と答えると
「待ってるぞ~~」と彼。
一度、ペンサオンに帰って着替えをし、準備をして出かけようとすると受付のおっさんが「またファド?」と声をかけます。
「いつになったら俺と一緒に行ってくれるの?」とか(笑 )
その頃は、もう私が毎晩ファドに通う日本人だということがペンサオンのスタッフにも伝わっていて、みんな顔を合わすたびに「今日はどっち?(バイロアルト?アルファマ?)」とかいう会話から始まるんです。
アルファマの目的のお店に行きましたら、さっきのスタッフが
「ごめ~~ん。今日は店内クリーニングの日で、お休みにしちゃったよ」と能天気に言うのでMACHAKOも仕方なく、
「じゃあ来週くるね!」と、他の店を探しにいきました。
しかし。です。
食事を済ませてきたMACHAKOを受け入れてくれる店がないんです。
どこも 「ええ~~?ごはん食べないの?じゃあだめ」
とか
「ごはんたべないなら、23時においで」
とか
冷たい~~・・・・・・
ガイドブックには
「食事を済ませて21時頃に入店がいいだろう」
なんて丁寧に書いてあるけど、
信用しちゃだめです。
また正直書くけど、
今回アルファマはしっかり食事してファドを聴いてくださいよ~~
って店、(ばかりじゃないとおもいたいけど)にあたったことしかないんです。
しょんぼりしながらもあきらめない女MACHAKOは片っ端から
「食べてきたけど聴きたい」と言って交渉。
そんな中。一軒だけの店が私を受け入れてくれました。
入り口に立つおじさんに交渉すると
「ええ~~~・・・それはちょっと問題だなぁ。でもね。う~~ん。ちょっとまって」
といって、お店のママに相談してくれまして。
「じゃあチャージと飲物でいいよ♪」と言ってくれました。
店内に入ると、とっても高級そうな食事を、白人のきれいな格好をしたお金持ちさんたちが豪華にいただいている最中で MACHAKO、完璧浮いてます。
しかも昼間から飲みまくっていたからコーラを頼んだので、さらに浮いてます 。
店員さんが
「ねぇねぇ大丈夫?」と心配そうに声をかけてきてくれました。
ホントに私のことを気を使ってくれているという感じが伝わって、ちょっと安心しました。
「今からファドはじまるからね」と店員さん。
コチラの店も、きちんと歌手はそろえられています。
(が、やはりトップバッターの人ってのはそんなにうまくないんだな・・・・これはおきまりなのか?)
何人か歌手が歌って、なんと、入り口に立ってたおじさんが歌いはじめました。
「!?!」
MACHAKOびっくり。
コンパイセグンドみたいなんです。自由にそして個性的に、、、、、そしてひきつけられる声、雰囲気。。。
「こんなファドを聴いたことがない!」と思いました。
思わず身を乗り出すようにして聞き入りました。
「歌いながらタイミングを見計らってワインを飲む動作」さえ彼の唯一のものになっています。。。。
「これはある意味すごいわ~~」
一気にファンになるMACHAKO。
トリの女性歌手はなかなか迫力があり、聴かせます。
「ここは、まともな店だ。。。。」とちょっと安心したMACHAKO。
10時をまわったころ、MACHAKOのとなりの席に男性二人組みがやってきました。2人ともイケメンです。
ファドに男性二人って実は今回の旅では、結構めずらしい率です。
2人は最初こそ私に興味なかったようですが、しばらくして私に色々と話しかけてきました。
「ねぇねぇ何書いてるの?君、記者?」とまずいわれました。
MACHAKOは歌を聞いた後、すぐにその感想を忘れないうちにメモしているのです。
「違うよ。サルサインストラクター」
「え?!」
フランス人の二人組みで、私はフランス語ができないのでスペイン語での会話でした。
MACHAKO、この旅ではポルトガル語、スペイン語、英語を駆使して色々な人種と会話していました。
(なかなかやるでしょう?)
スペイン語がうまいので、「ペルー人」と間違えられたこともありました。(余談 )
・・・・そこでMACHAKOは日本で友達に書いてもらったメモを2人に見せて見ました。
「私は日本でラテンの歌をうたっています。ファドも勉強中です」
すると隣の男の子が
「じゃあここでも歌ってほしいなぁ」といいはじめたのです。
さっき歌ったおじさんを呼んできてくれて、一緒に話はじめて、途中に
「この子、歌手なんだよ。」と紹介してくれました。
「そうなの?」
「はい。日本で」
「ファドは歌えるの?」
「少しだけ」
おじさんが少し席を立った後
「じゃあ、5分くらい時間をあげるから歌って見て欲しいな」と笑顔で言ってきました 。
思わぬ展開にかなりびっくりです。
隣のフランス人二人は「やった~~~ガンバレ!」とか能天気に喜んでます。
(でもさぁ。この、ハイソな雰囲気の中、このカジュアルな格好で、、、????その日のMACHAKOはちょっとインドっぽい服装 )
そんなところを心配しているMACHAKO(歌ではナイ)
ところがです、2ステ終わって23時。
ハイソなお客は、帰り始めたのです。
残されたのがMACHAKOとその男二人組みだけ。
「これじゃあ、3ステは、ないかもしれないなぁ」と思っていたのですが、
ここから奇跡の3ステージ目が始まったんです。
「まず君から歌って」
「え~~?」
たった二人のお客さんのための3ステージ目となりました。
MACHAKOは「ポルトガルの水夫」を歌いましたら、ギタリストさんが
「お~~~~!???」という反応をしました。
そして
「もっと歌って見て聴いて見たい」と言ってくれました。
ロウクウラを歌いました。すると
「なかなかやるじゃないか」という顔をしてうなづいてました。(これはホントです)
今まで「手放し拍手」をされていたので、ここでの反応のほうが信用できるなぁと思った私です。
そのあと、歌手達が一曲ずつを歌ったのですが。
ここでMACHAKOは新たなる発見をするのでした。
「1,2ステより、ずうっとみんな歌がいいじゃん!!!」
そうなんです。
これは大きな発見でした。
多くの観光客を前に歌っている歌手たち。
「ここに残った3人に向かって歌ううた」のほうが、「ずうっと気持ちがこもっている」のを感じてしまいました。
観光客に対しては「盛り上げてあげなきゃ~」みたいな歌になっているんでしょうね・・・・・・・ (っていったってわたしらだって観光客なんだけどね。)
そしてトリにおじさんが出て来ました。
「今日は君だけのためにこの曲を歌います。美しい歌ですよ」と説明してくれて、 素敵なバラードを私の目をみつめて最後までしっとりと歌い上げました。
とっても感動しました。
そのあとです。
我々のテーブルにきたおじさんが
「今日はとてもいい夜だった。とてもとてもいい夜だった。皆さん本当にありがとう」
ってちょっと目をうるうるさせて言ってくれました。。。
男二人組みも相当感動した様子で、みんなで記念写真や握手して・・・
なんか名残惜しくて帰れないんです。
お店のママが私のところにきました。
「とってもいい歌だった。あなたの写真をとったから、Eメールで送ってあげたいから教えて」
なんて言ってくれました。
そして、フランス人の男の子は、自分が買ったCDを私に渡し
「MACHAKOにこれは必要だよ。だって君はファドが大好きだってわかるから」と
プレゼントしてくれました。
お店のスタッフが
「MACHAKOからはお金取れないから、、、」といって
またまた相当にまけてくれました。(こんなんばっか・・)
帰り3人でタクシーを探しながらほろ酔いで帰ったのですが、
なんだか古くからの友達みたいな感覚になってきて大笑いしながら帰りました。
いつもいつもとなりの席の人にめぐまれているMACHAKOです。
しかしこの夜は感動で、なかなか寝つけなかった。
大きな愛のある一日でしたから。
その5)「怪しげな店のファドに咲く花」
翌日月曜日、この日はバイロアルトに行こうと思っていました。
そして店をきめずにまたふらふらと歩き回っていると、なんだかノリの軽い兄さんが客引きをしている店にぶちあたりました。
「かわいいねぇ==何人?え~日本人?え~~スペイン語話せるんだ~~
そうかそうか~~。かわいいねぇ~~~」とか
「怪しい・・・・」
その店の雰囲気、、なんというか、うらぶれた感、漂ってます。
でも本来ファドのもつ雰囲気ってきっとこんな感じの店だったのかもしれないとおもうMACHAKOとしては興味がありました。
入って見ると、中の感じもなんとなくうさんくさい。
(ここが新宿歌舞伎町だったらいっぱつでやばそうな店です)
「どんなファドやるんだろう~~~」
一応、歌手の出待ち席はあって(自分の番まで、席でまつところ)そこに控えている若い歌手も若いんだけど、老けている感じなんです。たばこ、ぷか~~~~~!(いいのか?)
ファドが始まりました。
いままでそこにいなかった「ちょっと大柄なすごく美人の40代の女性」が張りのあるとっても素敵な声でマリアリジュボアとリジュボアアンティグアを歌いあげました。
「いいじゃん!!!!!!!! 」
ここまで色々聞いてきた中でたぶん、MACHAKOの持つ感性に一番近い、明るい声の、張りのあるうたごえ、表情、そして存在感・・・・・
「こんなファドを歌って見たいなぁ」と素直に思いました。
それ以降も、その人の娘(待ち席にいた老けた感じの子)や、入り口の怪しげな兄さんなども歌いました。
どの人も「個性的で面白かった」です。
ただその店は客の態度がめちゃめちゃ悪かった。
「シレンシオ」といいまして、ファドを歌っている最中はお静かに。というお願いをお店側は言うのです。
いっこうにおしゃべりがやまないのですね。
客引きしてた兄さんはあまりのうるささにちょっと怒ってしまいました。
ギタリストも少し。。。。怒ってた。でもそこで怒っちゃだめでした。
どんなに頑張って歌っても、演奏しても、伝わらないです。。。。
その中で、やはり最初の歌手の女性は表情を変えず、自分の歌をまっとうしてうたいました。
うるさいのなんて関係ないわって感じで。
MACHAKOは「やっぱこの人、いい」っとまた思いました。
そしてCDを買いましたら、すごく優しい雰囲気のある人で愛を感じる表情いっぱいでした。
なんだかんだ、満足した店で、帰り際兄さんが
「君、歌手だろう?」って言ってきたんです。
「なんでわかるの?」というと
「ま、今度歌いにきていいよ」
だって・・・・・・・・・・
わたし聴きながら感想をメモとったりして研究しまくっているから、ばれるのかもしれません。(←こんなやつはいない)
怪しげな店でしたが、学ぶところはあったのでした。
この店は、とりあえず、今回行ったファドの店の中で「一番怪しかった」です。
でも買ったCDが編集おかしなところがあったので、後日持って行きましたら、
彼女は、新しいのをもう一枚添えて、
「ごめんなさいね」って言ってくれたのですが、その表情がまた女らしくて
愛に溢れててMACHAKOは改めてファンになったのでした。
彼女の歌はいまも耳に残っています。
怪しげな店に咲く、一本の赤いチューリップのような彼女でした。
初めまして!ファド歌手の
MACHAKO(マチャコ)です。ファドとの出会いは2007年。そこからたった一人での現地リスボン修行が始まったのです。ただひたすらに「ファドを歌いたい」という情熱に突き動かされて・・・続きを読む